砂の女
- Akihiko Morita
- 2017年8月4日
- 読了時間: 2分
ラピュタ阿佐ヶ谷の「安部公房×勅使河原宏」特集上映。
先週の「おとし穴」に続き2本目はこれ。
学生時代以来の再見だけど、まったく当時何も観えてなかったことが判明。
新鮮でえげつなくてエロくて渋くて、見ているこちらまで喉が乾き、ベタベタと砂まみれに
なっていく感覚。強烈な映像体験をしました。
高校三年生の時、担任で英語教師の梅原先生がクラスで語ってくれたことで、
僕はこの小説と映画の存在を知りました。(小説は1962年、映画は1964年発表)
梅ちゃんは高校を卒業して、進学や社会に巣立つ僕たちへの真摯なメッセージとして
この作品を選んだと思うし、それからの人生で幾度となく、僕は先生の言葉を思い出していました。
「砂の女になるな」
正確に言うと、岸田今日子演じる砂の女と、そのコミュニティーに囚われてしまった、
岡田英二演じる主人公の男のようにはなるな、ということ。
未読・未見の方々には申し訳ないのでネタバレしませんが、僕はこの作品を自身への比喩・暗喩として
「状況に順応していくことは大切だけど、そこに安住して良いのか?」
と心に刻んでいるつもりです。
梅ちゃんもきっと、若い僕たちにそれを伝えたかったのではないだろうか?と。
今回観て、いやいやもっと「砂」が持つ意味あるよね?深い。キチガイみたいな作品です。
気がつけば、按摩屋で過ごす時間が愛おしくなり、知的好奇心も満たされ、それはそれで良いのですが、
てことです。
おれ映画監督デビューを待たず、テレビの現場にも復帰しつつ、本当の「希望」を追求していく所存。
引き続き、逃げず、報告していきます!

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