さらけだす。
- Akihiko Morita
- 2016年5月9日
- 読了時間: 3分
映画「がむしゃら」をやっと観る。
昨年の公開時、公開直前のプロレスの試合で、主演の安川惡斗が顔面三カ所骨折。
それを報じるネットで、僕はこの映画の存在を知りました。
いわゆるプロレスの枠を越えたような技なのか、喧嘩なのか、勝った方はのちに謝罪会見し、引退。
惡斗さんも入院リハビリ、復帰のちに引退。
そして、僕はほとんどフォローしていませんでしたが、当時メディアとSNSによる、鬼のような誹謗中傷の嵐があったとか。
映画では、ドキュメンタリーとして、惡斗さんが生い立ちから今(骨折試合前の休養闘病前)までに密着。
ひとりの人間が、カメラに向かって自分について語り続けて行くスタイル。
カメラを廻す高原秀和監督の問いかけはほとんど無く、ひたすら惡斗さんが、自分の気持ちに向き合い、
ただただ、過去の自分、今の自分をさらけだしていく。
驚異的。
何度も言葉を詰まらせ、しかし、しっかりと、過去の自分を掘り起こし、さらけだす。
51歳、映画を撮ったことがない自称監督のおれの胸、打ち震えました。泣きました。
上映終了後、監督とふたりのトークショーも拝聴。
監督が言った、「話せば楽になると思い、ただただ廻した(聞いた)」
さらっと言われる、その姿勢に感銘したし、そこにきちんと自分をのせて行く、惡斗さんの真っすぐな心。
他にも監督が言ったように、テレビやネットで事件が、断罪されるように伝えられ、匿名多数の人々が、
まるで正義を振りかざすかのように物言い、そんなご時世のなか、はっきりと言えることは、
観てからもの言え!てことです。
例えば僕の場合、女子プロレスに興味はなく、この一連の騒動も1〜3報くらいしか知らず、
映画の公式サイトへもアクセスせず、単純に、それが中野ZERO(近所やし)で上映されるから観に行っただけで。
あとは、監督がFacebookで「公開、即、DVD販売、のあり方に疑問を持つ」という姿勢に感銘を受けたからです。
観て良かった。
ひとりの人間が、どん底までに堕ちてもがき苦しみ、いかに光明を見いだし、悪戦苦闘して行くのか?
しかもそれらはきっと、現在進行形であるということ。
そして、映画というメディア、作品が成すべきことは、記録・編集で、はい終わり。ではなく、
観る側の気持ちに残り続け、その気持ちに積み重ねて行く土壌みたいなものを造ることなのではないかと、
そんなことを思いました。
感謝!
*いずれDVD化されるとは思いますが、観たい方はアクセスして戴くと、彼らいわく全国各地どこでも上映会します、
ということなので是非。
個人的には、いじめ問題などの啓発で、中学校とか、教育の現場で是非広めて欲しいと感じています。


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