希望のつぼみ(裏話2)
- Akihiko Morita
- 2016年4月21日
- 読了時間: 3分
監督していて一番しんどいのは収入です(笑)。
実は、印税契約とか放映権料などが定番ではないんです。
日本のエンタメ業界は、未だそこらへんが曖昧で、映画監督であっても協会に属さなければ
賞が穫れなかったりとかあるらしく。
僕は元々、職業としては、テレビ番組の制作部ディレクター出身なので、そこらあたりのカラクリに
無頓着だったこともあるのですが。
いやいや、愚痴ではありません。ありませんけど、裏話的に現状からお話しすると。
例えば、僕がオファーを受けて、真っ先にギャラの交渉はないわけです。
それが業界の慣習みたいなところありますし、それがあった所でね、というのが本音。
だいたいの制作予算を感じて、一応、それに見合うか、少し出るくらいの(今回は思いっきり出てしまうようなこと考えましたが)、
アイデアを考えつつ、自分のギャラもおおよそ予想し、過度な期待は持たず、作品に向き合います。
今回の場合、受けたのが年末で、完成したのが4月始め。つまり、全日ではないのは確かですが、
そのおよそ4ヶ月間、僕はその一本で、その一本のギャラしか当然貰えません。
一方、例えばカメラマンさんしかり、照明さん、メイクさん、ほか諸々、皆さんは、だいたい数日の打ち合わせと、
下見、本番当日が終われば、次の一本へと進んで行くわけです。
僕はその間、ちまちま編集を繰り返し、見てもらい、直したり、監督としてそれで本当にええのか?葛藤あったりして・・・。
お分かりでしょうか?
4ヶ月で一本 VS 4ヶ月で数十本。
監督は、効率がめちゃくちゃ悪いんです。
少なくとも、僕レベルで言うならばの話ですけどね。
並行して、どしどしやれるようにならないといかんのですが・・・。
最後に、愚痴ではないことを証明するために書きます。
それでも、僕はこっちがいいんです。
「よーい、はい!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・カット!」
この、「・・・・・・・・・・・・・」が、僕が生きている証です。
何にも代え難い喜びです、使命だと感じています。やめられません。
もうすでに、山ほどの先達諸氏、同僚、後輩が先を走ってます。
40代のころまでは、醜くも彼らを妬み、我が才能のなさを恨んだりもしていましたが、
もう大丈夫です。
僕は僕でしかないことを、今ほど強く感じることはないですから。
やりますよ!
まったくもって、現在無計画ですが。
やります。宣言しときます。
何年かかろうが知ったことかと、僕は僕のやり方で、惑わされることも焦ることもなく。
みなさんはどうか、長い目で、笑って、お楽しみ頂きつつ、アホがなんか言うてるな〜でOKです。
これからも、よろしくお願い申し上げます!
かしこ。
森田空海

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