恐怖。
- Akihiko Morita
- 2016年3月27日
- 読了時間: 2分
高円寺北口のあゆみブックスで、偶然大好きな角田光代サイン本を二冊ゲットして、
一冊は先のブログで書いた通り。で、今夜二冊目を読破。
中盤を過ぎるまで、角田さんには珍しいと思える男主人公で、しかも題材がボクシング。
著者自らワークアウトしているとはいえ、少々マニアックに思える展開にどうなるのか?
登場人物が人殺ししたり、巻き込まれたり、いやいや、そんな展開は想像できなかったのですが。
拳、ひとつで何かを成そうとする男たちと、それを見つめる出版社勤務の主人公・空也の視点に寄り添って。
ひたすら読み進めました。面白かった。
ボクサーが、ボクシングが好きでたまらないと感じる瞬間。
しかし、目の前に立ち向かえない相手が出現して、感じる恐怖。
逃げたくなる怖さ。 自分は好きではなかったのかもしれないと自問自答する気持ち。
めちゃくちゃ分かります。たとえ僕が今、流血とか骨折とかの現場ではないにせよ。
いっしょやんと、思いました。
目の前に立ちふさがる困難、他のひとからしたらそれは何でもないことだったり、
好きでやってるんだったらええやん、みたいなこと言われることも含め、
怖いんです。
この小説同様、生きることは、この言いようの無い怖さと向き合うしかないんじゃないかなと。
夏まで、すでに、それでやるしかないこと、空海なら出来て当然、というレッテルありつつ。
やりますよ当然!と宣言して、僕は秘かに、この恐怖と向き合います。
その恐怖をとっちめて、ひらりと舞うように笑って、ある高みに行きたい。そう思う。
今度こそあかんかもしれないという、恐怖に勝ちたい。いつもそう思ってる。
その先に、何が見えるのか?見えないのか?
やってみないとわからない。だからやるしかない。
その繰り返し。


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