ロマンポルノ
- Akihiko Morita
- 2016年3月26日
- 読了時間: 2分
中〜高校生のころ、プレイガイドジャーナル(略称ぷがじゃ)という大阪の情報誌が、愛読書でした。
梅田周辺で上映されるロードショーや二番館、試写会情報が目当てですが、
ページを繰ると、成人映画あり、関西音楽シーンの情報があり、例えば当時「ピンク映画」というジャンルで
頭角を現し始めた、井筒和幸監督のコラムに夢中になったり。
でもでも、不良になれない弱虫ぼくちゃんは、雑誌を片手に妄想に耽るのみで、ピンク映画をたった一本さえ
見ずに、ハリウッド超大作に浮かれていたのでした。
今思う当時の心境は、ピンク映画を観たが最後、汚れ堕ちていくだろうと。しかも、そこに未だ輝く日本映画界の重鎮
の若き才能ひしめぎあっていたことを薄々感じながらも、理解しようとしていなかったのだと思います。
昨日と今日、場所は東京国立近代美術館フィルムセンター、根岸吉太郎自選上映会にて。
国立ですよ、300席の奇麗なホールでフィルム上映。
彼の監督デビュー作「情事の方程式(78)」から、
「女教師 汚れた放課後(81)」
「狂った果実(81)」
「キャバレー日記(82)」
真っ昼間に、堪能しました。
観て、真っ先に思ったことは、監督始めスタッフは、当時「ロマン」を感じていたのだろうか?ということ。
時がたち、僕は今の年齢でそれらを初めて観て、「ロマン」を感じました。
しかしそれは間違いなく愚問であることは、作品を観て明らかであることも分かったつもりです。
つまり、映画に向けた愛、情熱。 ジャンルではなく、何をどう切り撮るのか?残すのか?ということ。
当時20代後半の監督がぶつけた熱意が、今なおスクリーンに映し出される幸福。
「狂った果実」のあとに、先に当上映会で再見した名作「遠雷(81)」を作り、「キャバレー日記」に戻る、というか、
ロマンポルノというジャンルにしっかりフォーカスできる凄さ。
今のようにハメ撮りが当たり前のAVビデオ(お世話になってますが)ではなく、前貼りとやらをして、
実際の挿入なくして、演技する。
かつ、濡れ場を、物語の中にどう盛り込むか?ではなく、濡れ場をいかに物語のなかで立たせるか?
おもろいわ。
そんな、彼らの遺伝子、消してどうする?
続かんとあかんやろ?
マジで思います。

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