業
- Akihiko Morita
- 2016年3月22日
- 読了時間: 1分
高円寺北口の本屋さんで偶然に手に取った(売れ残りの?)著者サイン本。
「坂の途中の家」
著者の作品は「八日目の蝉」「紙の月」は、映画も両方素晴らしく、ほか数作読んでいるけど、
これは一番読みづらかった。
平凡な主婦が裁判員裁判の裁判員(補欠)に選ばれ、乳児殺しの主婦の裁判に携わるうちに、
被告人とそれを取り巻く状況と、自身の現実が重なり合っていく物語。
女性の業を描かせれば、もともと男性の業さえもきちんと描けない俺からすると、
ひとつひとつが深く。シンプルな物語なのに、幾重にも重なり合って構築されていて。
うなりつつも、ひたすら繰り返される主人公の逡巡が、時に不快にも感じて。
しかし読み捨てられず、所々で、俺がこの立場なら?などと考えもした。
先の福島遠征で読み始め、本日編集室で読み終え。
読書も良し。栄養戴きました!

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