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悪い奴ら。

  • 執筆者の写真: Akihiko Morita
    Akihiko Morita
  • 2016年2月18日
  • 読了時間: 2分

京橋フィルムセンター「三隅研次監督リスペクティブ」三回目。

1973年 若山富三郎原作主演、東宝製作「桜の代紋」鑑賞。

むちゃくちゃ面白かった!以下、ネタバレで。

トミー演じる刑事さんは見るからにヤクザ。

関西弁でタバコ吸いまくり(数えただけで10数回)で、イケイケの暴力団を壊滅せんと奮闘中。

しかし警察内部にイヌがいて、決定打を打てず。

新人刑事(関口宏!)殺され、イヌの小林昭二(ウルトラマン隊長!)も殺され、

あげくは愛妻、松尾嘉代!がヤクザに拉致され窮地に。

ここでヤクザ事務所に乗り込み、警察手帳と拳銃を置き、いち男として、松尾嘉代を返してくれと懇願。

(なんで警察に応援頼まないのか?は置いといて)

ヤクザのドンは大滝秀治!インテリ系、言葉少なく、常に屈強な男をはべらせて。

その狂気と色気ものすごく。

その目の前でトミーボコボコにされる。はんぱなく。

その最中、大滝秀治はソファーに横たわり、屈強男に足の爪をヤスリでケアさせ靴下をはかせるまでを

カメラは追う。

結局、松尾嘉代は犯されていて自殺。

失意のトミーは、そこから私怨でヤクザ皆殺し!!!

面白かったのは、殺したあとに、警察上層部が記者会見を開き謝罪、同僚トミーを糾弾するところ。

さらに裁判でトミーが無期懲役を宣告され、バックヤードで記者の質問に「控訴しません、おれ刑事じゃ

ないですから」と答え、画面はストップモーション、「完」。おしまい、の潔さ。

若山富三郎が原作、ていうか原案でしょうたぶん。

そこには、ヤクザを必要悪として描く、見える、東映深作欣二版へのアンチテーゼがあったのではないかと

なんとなく、そう思う。

web検索によると「仁義なき戦い」は同年初頭の公開で、これは遅れて4月公開。

先立つアメリカの「フレンチコネクション」は71年、「ゴッドファーザー」は72年。

石橋蓮司射殺シーンなんか、「ゴッドファーザー」の影響丸出し。

その若き石橋蓮司がヤクザ側のキーマンとして前半登場するんですが、それを追いつめるくだりが

面白すぎたので、後半、若干ペースダウンあり。

あいつら悪いでしょ?常識なんて通じないでしょ?これからさらに悪事重ねるの分かってるでしょ?

殺さないと。

そういう強引なベクトル。しかし悪には悪の、善には善の、があり。

面白かった〜。


 
 
 

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